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DeNA・エスコバー 頼れる155キロ剛腕サウスポー/わがチームの速球王

 

現在は外国人枠の問題もありファームで登板するが、チーム1、2を争うスピードボールは健在


 DeNA自慢のリリーフ陣は速球派ぞろいだ。今季の最速で見れば国吉佑樹の156キロを筆頭に、エスコバーが155キロ、三嶋一輝三上朋也が154キロと他球団がうらやむ豪腕を豊富に抱えている。中でもエスコバーは投球の約8割近くを直球が占め、スピード王の名にふさわしい荒々しさを醸し出している。

 サウスポーでの155キロは、2017年の菊池雄星西武)や12年にソフトバンク川原弘之がウエスタン・リーグでマークした158キロの最速記録に迫る勢いだ。来日2年目のエスコバーは今年4月で26歳とまだ若く、故障と無縁の体の強さがあり、伸びしろは十分に感じられる。

 外国人枠の問題で一軍登録を外れることもあるが、勝ちパターンでもビハインドでも、イニングまたぎもこなす大車輪の働きで、ネット裏の解説陣から「こんなにいてくれて助かる投手はいない」と感嘆の声が聞こえる。

 エスコバーは16年にメジャー・リーグ、ダイヤモンドバックスで25試合に登板。17年に日本ハムに入団したが14試合で防御率5.64と精彩を欠き、同年中に1年目、外国人選手では珍しいトレードでDeNAに移籍し、シーズン終盤に中継ぎに定着すると、ポストシーズンでもフル回転だった。

 トラックマンシステムの活用により、直球と変化球の腕の振りに顕著な違いが見つかり、それを修正したことが今季の飛躍につながっている。お茶目で誰からも愛されるナイスガイは、サウスポー王国のDeNAで花開いた選手の一人でもある。
写真=井田新輔
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