
直近の2カードではサイクル安打も達成するなど、打棒大爆発中の平田
一番・右翼に
平田良介の名前が組まれたのは、8月14日の
DeNA戦(ナゴヤドーム)のことだ。この時点で平田の打率は.324。四番を打つ
ビシエドが.328で、連敗中だったチームの中で、リーグ首位打者を争う安定感のある2人を、チャンスメイクの一番と、それを返す四番に振り分けたのはごく自然な流れと言えるだろう。
8月16日のDeNA戦(同)では、球団史上8人目のサイクルヒットを達成した。この日も一番・右翼で先発出場し、初回に
京山将弥からレフトスタンドフェンス際へ先頭打者弾をたたき込んだ。そこから二塁打、二塁打、三塁打と、5回までで“サイクル超え”を果たし、残すところ単打1本。一死走者なしで迎えた7回、しぶとく三遊間をやぶるヒットを放つと、プロ野球人生で初めてのサイクルヒットに、塁上で満面の笑顔を見せた。
その7回は「いつもどおりの気持ちで打席に立った」と言いつつも、「本当はいけないんですけど、(達成までに単打を残して)自分の打席が回ってくる前の守備から、バッティングのことばかり考えていました」と、お立ち台では素直な気持ちを吐露。マイペースな平田節に、スタンドからは歓声と拍手が惜しみなく送られた。
ここで平田は、「最後まで、どんな点差でも、勝ちに向かってプレーしていく」と宣言。2位以下が混戦のセ・リーグでは、クライマックスシリーズ進出の可能性もまだ残されている。翌17日の
巨人戦(東京ドーム)でも、4安打。
菅野智之に2安打完封された18日の同カードでも、一人2安打と気を吐いた。まだまだあきらめる段階ではない。マイペースな竜の絶好調男が、2012年以来6年ぶりのクライマックスシリーズ出場へ、起爆剤となる。
写真=BBM