
新助っ人左腕のアルバースが前半戦だけで9勝とチームの勝ち頭に。故障で今季中の復帰は厳しいが、来季の活躍には期待が高まりばかりだ
シーズンを完走すれば、文句なしの1年目だっただろう。
オリックスの新外国人・アルバースは、前半戦終了時点で9勝1敗。しかし、2ケタ、そしてタイトルも期待される中、迎えた後半戦は5戦で1敗。2ケタ勝利に王手をかけながら7戦連続で足踏みした。そして、8月18日に持病の腰痛を発症し、登録抹消。復帰に向けてファームでリハビリに励んでいるが、今季中の復帰は厳しい状況だ。
それでも、前半戦での大車輪の活躍は、チームを大きく支えた。球速は140キロ台だが、「制球力は自分の生命線。ゾーンをしっかり使うことを考えている」と高い制球力を武器に技巧派左腕として5月から6月にかけて7連勝をマークした。
勉強熱心な性格から毎試合前にはビデオで相手チームの打線を研究し臨んだ。「大きなアジャストが必要というわけではない」と、マウンド、試合球の感触の違いも、キャンプ時点で対応するなど、器用な一面も見せ、初年度からの好成績につながった。
後半戦は投打ともに離脱者が増える厳しいチーム事情から、中5日の間隔で先発を担ったが、勝ち星に恵まれず。腰を痛め、自身も無念の離脱となった。それでも8月に来季からの2年契約を結ぶなど、球団も必要戦力として高く評価している。
アルバースも「決断は簡単だった」と意欲的だ。収穫と課題が残る1年目を経験したからこそ、2年目はシーズンを通した活躍に期待は高まるばかりだ。
写真=松村真行