
1試合6安打3本塁打を放った大山。この試合をきっかけして今後四番打者として、エース候補で同級生の藤浪(写真奥)とともに阪神をけん引してほしいものだ
下位に低迷したが、勢いに乗りかかったゲームがあった。9月17日の
DeNA戦(横浜)は、19安打で4年ぶりの20得点。最下位から4位に浮上する大勝だった。
その時点では、どのチームにもCS進出のチャンスがあった。しかし、阪神はその快勝を生かせず、その後も一進一退を繰り返していた。
打ちまくったメンバーの中で、主役は
大山悠輔だ。6安打7打点&3本塁打。ホームランは今永、田中俊、砂田の3人のサウスポーから放った完ぺきな当たりだった。
チームの目玉ながら不振だった大山が急に目覚めた。1イニング2発は、1982年
掛布雅之以来。シーズン終盤に「四番」を任されるきっかけになったゲームになった。
金本監督は「左足がステップしていくときに、上体が前に出て行かないから、ボールがしっかり見えている」と調子が上がってきた要因を説明する。
この試合ではもう一人、キーマンと言われていた男が結果を残した。
藤浪晋太郎だ。5回4失点でやっと3勝目を挙げたが、バットでも快音を聞かせた。
今季初ヒットが満塁ホームラン。阪神投手では81年
山本和行以来の満塁本塁打。打撃はともかく、制球難で勝てない若手が、ようやく兆しをみせたのは大きかった。
今シーズンは金本監督3年目のスローガン「執念」はかなわなかった。しかし、同級生の「四番」と「エース」候補にとっては、来季につながる一戦になったと信じたい。