
即戦力として入団したが、今季は貴重な左の代打として活躍。だが、来季はレギュラー取りを狙っていく
今季終盤「左の代打」に定着した。中堅クラスになった
伊藤隼太は、右の原口とともに大事な局面で登場してきた。
本人が「1打席、1打席、後がないと思ってやってます」と言うように、経験がものをいうポジションで戦っている。
2012年ドラフト1位で慶大から即戦力として
阪神入り。しかし、初年度から故障に見舞われるなど期待を裏切った。
周囲からの批判の的になったこともあったが、17年シーズンから「代打」という新しい立ち位置をつかんだ。
今季も96試合出場のうち、代打で60打席に立った。8月26日
巨人戦(東京ドーム)の8回、逆転2点三塁打を放つなどチームの勝利に貢献した。
しかし、1打席、1球で仕留めることが求められる持ち場は、29歳の伊藤にとって、なかなか過酷な役割でもあった。
5点差を引っ繰り返した巨人戦を終えたときの代打での打率は2割7分台だった。だが、結局打率.222で2018年シーズンを終えた。
昨年、ファームでプレーしていたときには当時の掛布二軍監督から直接指導を受けながら打撃の技術を磨いてきた。
伊藤にとっては「代打に甘んじるつもりはない」というのが本音で、常に外野のレギュラー争いを視野に入れている。
10月18日に正式に誕生した矢野新監督になって、2019年は再びレギュラーは競争となる。「チームに必要とされる仕事ができるようになりたい」と30歳のシーズンに賭ける。