
鈴木は苦しい2018シーズンを過ごした
井口資仁監督の1年目だった今季、
鈴木大地は2014年から4年間務めたキャプテンの職を解かれた。正確に言えばそれが廃止されたからだったが、例え「名前」が消えても、背番号7が果たす役割は同じだった。
「今まで以上に声を出していかなければいけないと思っています。昨年までよりも、もっと元気にやりますよ」
その姿は春季キャンプから見られた。同じ三塁ということでドラフト1位の
安田尚憲の「教育係」を担当した。張り切るルーキーに「まだ、声が足りないぞ!」と尻をたたいた。胸の「C」マークはなくとも、鈴木のスタイルは変わっていない。この時点では誰もこの男が、シーズンで苦しむなどとは思いもしなかった。
全試合に出場し、三塁を守った。ただ、打率.266、8本塁打、49打点と目立った数字は残せず、二塁からコンバートされた三塁では10失策と前年から倍増した。ときに
平沢大河、
三木亮らが守備固めに入り、試合の終盤はベンチを温めることもあった。
来季はさらに苦境が待ち受けそうだ。今季終了後、井口監督は「来季は安田を開幕から使いたいと思います」とドラフト1位の若き大砲候補をレギュラーに据えたい考えを明かした。そうなれば三塁は埋まる。遊撃は
藤岡裕大、平沢の若手が争い、二塁は
中村奨吾が定位置を奪った。一塁には
井上晴哉がいる。
2019年は、レギュラーさえ安泰ではなくなったリーダーの奮起が、期待される1年になる。
写真=BBM