
「キング・オブ・クローザー」として、サファテは定位置奪取に意気込む
来季は仕切り直しの“名球会シーズン”を迎える。絶対的守護神のD.サファテはアメリカでリハビリ中。今季は名球会入り条件の通算250セーブまで残り21として突入し、達成は間違いなしと思われたが、右股関節の故障で開幕直後に離脱した。母国で手術を受け、残りのシーズンを棒に振ったが、「ぜひグリーンジャケットがほしいね」と完全復活を目指している。
ただし、必ずしもクローザーの定位置が約束されているわけではない。自身が空けた9回の穴を公私ともにかわいがってきた
森唯斗が見事に埋め、2015年から3年間守ってきた最多セーブのタイトルも譲る形に。森からは「抑えをやらせてもらい、とても楽しかったので、来年も9回に投げるつもりです」と宣戦布告を受けた。
これに対し、サファテもアメリカから応戦。「来年は初回からブルペンに入ることになるぞ」とジョークを交えて森を挑発した。順調な回復ぶりで守護神復活への手応えをつかんでいるようだ。急成長した
加治屋蓮、
嘉弥真新也に加えて、右ヒジの不調で同じく離脱した
岩嵜翔らも戻ってくれば、ブルペン陣はさらに盤石なものになる。
激しいチーム内の競争を勝ち抜き、定位置に戻った先には、あと16セーブで外国人選手では2013年の
ラミレス(現
DeNA監督)以来、投手陣では初となる偉業が見える。「200セーブにいくまでは存在も知らなかったけど、メンバーを見れば光栄なことだ」。歴史に名前を残す新たなシーズンが待ち遠しい。
写真=湯浅芳昭