今季は全試合で捕手として守備に就いた田村
ロッテの扇の要として欠かせない存在に成長した。高卒6年目の
田村龍弘は、自身初の全試合出場を達成。それも代走や代打だけというものがなく、全試合で守備に就いてのものだ。
これはパ・リーグでは2003年の
城島健司(当時ダイエー)以来の快挙。それでも田村は、「フル出場というのはプロに入ってから常に目標としてきたのでクリアできたことはうれしいが、今回は最後、記録のために出してもらっていた感じ。使っていただいた」と首脳陣に感謝した。
シーズン終盤に
柿沼友哉や
吉田裕太が先発した試合でも、必ず最後には田村がマスクをかぶった。
清水将海バッテリーコーチは「もちろん意図的に起用した。143試合全てに出るのはしんどいことだが、守り切ることが今後につながると思った」と意図を語る。
そんな期待を痛いほど感じている田村は、「大事なのは来シーズン」と、自覚を持って秋季キャンプで汗を流した。
捕手では今季限りで
金澤岳が引退し、ドラフト会議で新たな捕手の指名はなかったものの、チームは
楽天を退団した
細川亨を獲得。それでも田村への信頼が厚いことに変わりはなく、清水コーチも「競争に負けたら記録は継続できないよね」とハッパをかける。
もちろん本人におごりはなく、「不動のレギュラーとは思っていないし、来年も出られることが決まっているなんてまったく思っていない。1年1年が勝負」と口元を引き締める。トップクラスと称されるフィールディングだけでなく、リード面でもさらなる成長を誓っている。
写真=BBM