
監督就任4年目を迎えるラミレス監督にとって、2019年は正念場となる
来季をどう戦うか。就任4年目を迎えるラミレス監督は戦略面以上に、チームマネジメントの部分で手腕が試されることになる。「私自身が反省し、変わる必要がある」。今季レギュラーシーズン最終戦後の、異例とも言えるコーチ陣への謝罪を経て、3年ぶりBクラスに沈んだチームを再び上昇気流に乗せられるか。
指揮官の発言の真意は、今季はスターティングオーダーや代打、継投などの選手起用をほぼ独断で決めてきたことに起因する。昨季までと一線を画した、目前の結果に対してドライな起用法に選手からは不満が漏れ、コーチはそのなだめ役に追われた。「私が多くを決断したことで、コーチの能力を発揮させられなかった。私とコーチ陣とに、コミュニケーションの部分で溝があった」と認めた。
横須賀市での秋季練習では、監督はほとんどグラウンドに姿を見せなかった。一軍コーチと個別に面談し、ヒザをつき合わせてチームの問題点を洗い出す時間に費やした。まずは首脳陣の風通しを良くし、意見交換の活発化を図る目的で、打席の左右で分けていた打撃コーチの担当制も撤廃。来春キャンプに向けても多くを語らず、新任の
三浦大輔投手コーチ、
田代富雄打撃コーチらの「意見を聞いて考えたい」の一点張りとなった。
鹿児島・奄美大島での秋季キャンプのMVPには、今季出場機会が激減した捕手の戸柱が選出された。もう一度フラットに選手と向き合おうとする意思の表れにも映る。悲願のVへの変化は始まっている。
写真=大泉謙也