
ファンを喜ばせるために就任1年目から優勝を狙っていく矢野監督
波乱のオフになった
阪神で、新指揮官の座に就いたのが矢野耀大監督だった。17年ぶりの最下位。明確に否定したのは、金本野球からの脱皮についてだ。
「脱金本みたいなことを言われるけど、そうではない。『脱』ではなく、『続』だと思っている」
前監督がたどってきたことを継承していくことを強調した。「若い選手に対し、いろいろやってきたことを形にしていくことが、オレに与えられた部分」と1年目の青写真を描く。
矢野監督は2003、05年にリーグ優勝を果たした際の女房役。先発の井川、伊良部に、リリーフの安藤、ウィリアムスら、強力投手陣をマスク越しにコントロールしてきた。
チームの要で、キャッチャーという役割にあった矢野監督だから、守りを固めながら戦っていくものと思われた。しかし、意外にも、本人が目指す野球のスタイルは「超攻撃型」だというのだ。
特に、星野監督が率いて、シーズン42試合の逆転勝ちを収めた03年を理想とする。「あの流れができたときのあの盛り上がり、雰囲気をファンは求めている」と攻めに徹する。
秋季キャンプは、打で中谷、高山、大山、投では才木、望月、浜地らの成長に手応えを感じた。就任1年目から3連覇の
広島、大型補強をした
巨人を追い越すつもりでいる。
矢野監督は3年契約とされているが「来年から優勝を狙いにいく。ファンを喜ばせるのに3位でいいことはない」とシーズン初年度から勝負に出る。