
持ち前のフルスイングは継続していく
新人王になっても、何も変わることはない。自主トレ公開日の1月7日、そしてその前日も、田中は練習の最後に黙々とマシン打撃を続けた。緩いカーブを、常にフルスイング。西南学院高時代からずっと続けるルーティンだ。「マシン打撃は、直球だとどうしても当てにいってしまう。フルスイングするための練習です」。
昨季、三振率は.217。規定打席に到達した日本人選手では最も高かった。「一番打者として良くないことだと思うけど、当てにいくよりは振ったほうが相手にはプレッシャーがかかるのかな」。今季は25本塁打を目標に掲げ、強打に磨きをかけると誓った。
2年目だった昨季は、大きな飛躍を遂げた。開幕直後は二軍落ちも経験したが、ノーステップ打法の習得に挑戦し打棒が復活。5月下旬から定位置をつかんだ。一番打者として18本塁打、21盗塁、打率.265の数字を残して新人王を受賞。日米野球では侍ジャパンにも選出された。
新人王は
オリックス・
山本由伸、
ロッテ・
藤岡裕大らとの激戦を制しての受賞となったが、満足する気持ちはない。ドラフト1位で
辰己涼介(立命大)、7位で
小郷裕哉(立正大)が入団し、金銭トレードで
巨人から
橋本到も加入。外野のレギュラー争いは、さらなる激化が予想される。
「外野の3つという枠を考えず、一番・センターというポジションを全力で獲りにいきたい」と力を込めた。長打がウリの一番打者として、さらなるブレークを狙っていく。
写真=BBM