
中村は精度を上げてタイトル獲得を狙う
タイトルは手の届くところにあった。シーズン終盤まで
日本ハム・
西川遥輝と盗塁王を争った
中村奨吾は自己最多の39盗塁を記録したが、ラストスパートをかけたライバルが44盗塁まで伸ばし、逆転で戴冠はならなかった。
「最後にそういう争いができる位置にいられるように(成功する)確率を上げていかないといけない。争いをして勉強になった」
昨季は二塁にコンバートされ、自身初のフルイニング出場も果たした。盗塁増を支えたのはリーグ9位の出塁率.374だった。打率は.284だが、リーグ最多の22死球を稼いだからだ。「安打=四死球」と打ち出した井口監督の方針もあり、内角球に恐れることなく、踏み込んでいくスタイルを確立。次の塁を狙うために相手投手のクセや配球も熱心に研究し、成功するたびに自信も深めた。
課題はシーズン後に分かった。「秋季練習が始まってもまだ、体が重かった。でも、その裏でCSや日本シリーズは行われている。目指すのはそこ。バテないよう体づくりをしていきたい」。
昨季は9月30日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で2盗塁し、38盗塁でリーグ1位に躍り出たが、10月の11試合でわずか1盗塁。143試合でも使い果たせないほどの体力をつければ、終盤戦の失速も回避できる。全試合、フルで出たからこそ分かった次の目標だった。
「最後にそういう(タイトル)争いができるように成功率を上げていきたい」。プロ5年目。タイトルが、明確な目標になった。
写真=BBM