
先発ローテーションの中心として2ケタ勝利を期待されている今井
キャンプ初日から捕手のミットに突き刺さるように収まる伸びのある球で、首脳陣の視線をクギ付けにしていたのが
今井達也だ。昨季5勝を挙げ、3年目の今季は、
辻発彦監督から「2ケタは計算している」と高い期待を寄せられている。
今井本人も「背番号(11番)ぐらいは勝ちたい」と自覚も十分とあり、しっかりと腕を振れる万全の状態で2月1日を迎えた。その後も昨秋から取り組んでいる、「力むと体が開いてしまう」という課題をテーマに投げ込みを行い、キャンプで順調にステップアップしてきた。
「どうしても強い球、速い球を投げようとすると、多少力んでバランスを崩してしまうときも見受けられるけど、球のばらつきはだいぶなくなってきている」と
西口文也投手コーチも納得の表情でうなずく。
また、成長を渇望する姿勢は体を動かす練習だけではない。2月20日、21日に行われた台湾・統一との練習試合では登板機会はなかったが、じっくりと観戦。隣で見ていたOB選手に打者視点からの話を聞き、見識を広げた。
「打者心理、打者の構え、雰囲気や、変化球待ちだったのか、直球待ちだったのかなど、前の打席の結果を参考にしながら次の打席、次の打席とやっていきたい。特にシーズン中は何回も対戦するので、そうした工夫がないと配球のパターンも読まれてしまう」
だからこそ、「狙ったところにきちんと投げ切れないと、組み立てもできない」と制球力の重要性も再確認できた。
今後の実戦で“打者視点”の投球を身につけ、大ブレークを目指す。
写真=BBM