
主砲として期待される新外国人だ
大げさに言うなら、魔法のようだった。新外国人の
ブラッシュが、日本人には真似できないような芸当を見せつけた。
2月23日、那覇で行われた
巨人とのオープン戦初戦。2回の第1打席。ブラッシュは
菅野智之が投じた真ん中高め151キロ直球を、左中間席最深部に放り込んだ。
両足をピタリとくっつけ、高く構えたバットをほぼ地面と並行に揺らす。ヘッドは、投手側に大きく傾く。かつて
ロッテでも活躍した
フリオ・フランコ氏を彷彿とさせる独特のフォームだ。
視察した他球団のスコアラーが疑問視したのが、150キロを超える速球への対応力。「あのフォームでは(速球に)差し込まれる」と指摘したスコアラーもいた。
ところが、どうだ。菅野の右手からボールが離れた直後、バットは驚異的な速度で白球をとらえた。先制ソロに「シンプルに、ベース上のストライクを強く振ることを心がけていた」と胸を張った。
3回の第2打席は、巨人の2番手・
野上亮磨が投じたカーブを左前へ運んだ。196センチ、106キロの恵まれた体格で、練習から熱心に取り組む。コーチ陣の助言にも素直に耳を傾け、ここまでは日本人投手の変化球にも対応している。
現在の構えになったのは2017年終盤から。「バランスが良くなり、頭のブレも抑えられる。自分としては、サダハル・オーにも似ていると思っている」とマイナー通算169本塁打の助っ人砲。成績も、世界の
王貞治に似せられるかどうか。
楽天の新四番候補に注目だ。
写真=BBM