
今季も中継ぎの貴重な左腕として優勝へ向け腕を振り続ける
黙々と投げ込む。
能見篤史にとっては区切りのシーズンだ。今季もリリーフ役の左腕は順調に仕上げに向かっている。
オープン戦初登板になったのは3月2日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。4回から2番手で登板し、1イニングを3人であっさりと片付けた。
昨季は開幕から3試合に先発したが、その後ファーム落ち。6月にセットアッパーとして生き場所を移す。
まだ先発のイメージがつきまとうが、本人はプロに徹する。シーズン途中の中継ぎへの配置転換もきちんとアジャストしてみせたのだ。
結局、自身最多45試合に登板した(4勝3敗1セーブ)。リリーフのみなら防御率0.86で、貴重なクローザーへのつなぎ役を演じた。
ベテランは「もう1度優勝したい。そのためにはしっかりと戦力になりたい」と勝ちにこだわって投げ続ける。
能見は5月で40歳の大台を迎える。40歳代の最多登板は、2017年43歳シーズンで
中日・岩瀬が投げた50試合だ。
能見本人が「ひとつの励みにしたい」というように、レジェンドに近づくべく投げまくるつもりでいる。
「同じ世代からも『あいつ頑張っているな』と思われるように、しっかりとしたところを見せたい。できるだけ点を取られないようにしないといけない」
能見の取り組む姿勢は、若いピッチャーのお手本にもなっている。不惑のシーズンに、ひたすらマウンドに立ち続ける。
写真=BBM