
4月5日の広島戦の初回に先制打を打った大山だが、ここからさらに調子を上げていきたい
若き主砲のバットはタテジマの命運を握る。
大山悠輔が3年目で初の開幕「四番」に座った。もともとの矢野新監督の理想像でもあった。
開幕となった
ヤクルト戦(京セラドーム)でその座に就いた大山は「打席に立てばボールに集中するだけです」と平静を強調する。
キャンプ中の紅白戦、練習試合、オープン戦での出場機会は、すべて「四番」で、そこに定着すべく歩んできた。指揮官が就任から生え抜きに固執したように、2017年ドラフト1位男の成長は、シーズンの浮沈を占うだけに注目される。
当初は新外国人のマルテが有力視されたが、故障で開幕二軍スタートが決定した。そこにオープン戦4本塁打の大山に長打力が求められた。球団で生え抜きの開幕四番は4人目。過去には、
藤村富美男、
掛布雅之、
岡田彰布といった、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。
大山も17年は7本塁打だったが、昨シーズンは11本塁打で進歩を遂げ、3年目の飛躍に期待が寄せられている。
昨季は開幕戦で
巨人・菅野から右越え本塁打を放ったが、その後は低調で、6月に二軍落ちを経験してきた。開幕戦からなかなか結果が出ていないが、昨秋キャンプでは濱中打撃コーチと、下半身主導のバッティングに取り組んできた成果をここから他球団にもしっかりと見せつけたい。
巨人、広島などライバル球団にひけをとらないスラッガーが誕生すれば、前評判の芳しくないチームの順位予想を大きく覆すことになりそうだ。
写真=BBM