
3月31日に2年ぶりに一軍マウンドに立った巨人の戸根千明。見事なホールドを記録した
屈強な肉体に秘めるパワーは無限大だ。戸根千明は今季、3季ぶりの開幕一軍を勝ち取った。1年目の2015年に46試合に登板した左腕が、復活を期している。
「去年はケガばかりだったので、1年間ケガをしない体作りを念頭に置いてやってきました。筋力はだいぶあるので、それを生かすトレーニングをやってきました」
2年目以降は思うように成績を残せず、昨季はシーズン途中に左ヒジを痛めた影響で一軍登板ゼロ。オフは、元力士の助言を受け、四股踏みトレーニングなどで股関節の可動域を広げた。投球動作の中で「こんなに体重移動がスムーズにできるんだ」と効果を実感しているという。
春季宮崎キャンプは二軍スタートも、沖縄2次キャンプで一軍に昇格。オープン戦は4試合に登板し、無失点でアピール。ハイライトは3月18日のシアトル・マリナーズとのプレシーズンゲームだ。4回一死二、三塁から3番手で登板。日米通算4367安打の
イチローから、鋭いスライダーで見逃し三振を奪った。「とても緊張しました。イチローさんとの対戦は、誰もが経験できることじゃない。いい経験をさせてもらいましたし、とてもありがたかったです」。その後もマウンドに立ち、1回2/3を無安打無失点に抑え、存在感を示した。
開幕3戦目の3月31日の
広島戦(マツダ広島)で今季初登板。2年ぶりの一軍戦で3年ぶりにホールドを記録。4月11日時点で3試合に登板し、無失点投球を続けている。失っていた輝きを取り戻すシーズンを、勢いよく滑り出したといえるだろう。
写真=BBM