
バットをアオダモ製からメープル製に変えた
開幕20試合で猛打賞を含むマルチ安打は6度を数え、打率は.303(4月22日現在)。出塁率も.351だ。「今はとらえなければいけない球をしっかりとらえられているので、いい結果が出ている」。昨季途中から一番に定着した
平田良介は、好調の要因をそう自己分析する。
昨季は自己最多の138試合に出場し、リーグ3位の打率.329。過去最高の打撃成績を残し、守備でも初のゴールデン・グラブ賞を受賞した。「タイトルを取りたい」と意気込む14年目。2月の沖縄キャンプは、二軍でじっくりと体をつくった。
ただし、オープン戦では打率.167と苦しんだ。要因はバットの変更。昨季まで愛用していたアオダモ製が枯渇し、今季はメープル製を使うことを余儀なくされた。振ったときの感覚を大事にするタイプ。扱い方をつかむのは容易ではなかった。
「ヘッドが思うように出てこない」。グリップの太さや重心の位置を変えてもしっくりこない。ついには、手元に1本残っていたアオダモ製を手に取った。メーカーも「何とかしないと」と必死にアオダモを探し回り、開幕までに6本を届けた。
3月29日の開幕戦(対
DeNA、横浜)。平田の手にはメープル製が握られていた。オープン戦最終戦となった24日の
楽天戦で使った際に「ぶつける感覚で打つ」とつかむものがあったからだ。開幕からの好調はバットの問題をクリアした証し。「この感じでいきたい」。斬り込み隊長としてチームを引っ張る。
写真=BBM