
中村奨は守備でもさらなるレベルアップを誓う
強烈な打球に追いつけるスピード、難しい打球に対して捕球からすぐ送球に移れるボディバランス。
中村奨吾が持ち合わせている守備の武器はパ・リーグ内野手の中でも屈指だ。
「守りに入らず『攻めた守備』をしたいなといつも思ってます」。1球ごとに微妙に守備位置を変えるセンスも抜群。打者の打球傾向と捕手の配球をインプットし、外国人のプルヒッターが打席に入るとベース寄りに守るなど綿密な工夫も凝らしている。
鳥越裕介ヘッドコーチは「手元が起用なので小手先に頼ってしまうところがありますけど、足の運びを順序よくできれば、もっとよくなる。(守備への)興味を持てればもっとうまくなる」と、さらなる“伸びしろ”に期待を寄せる。
二塁にコンバートされて1年目の昨季は守備率.993でゴールデン・グラブ賞を獲得。飽くなき向上心は尽きることなく、「満足はしていない。セカンド方向に打球が飛べば大丈夫だと投手に安心をしてもらえるような選手になりたい」との言葉を残した。
2年連続受賞への思いを胸に秘め、昨季から取り組んでいるのは、試合前練習で遊撃の守備も行うこと。三遊間の深い位置から一塁への送球を繰り返し行い、肩の衰えを防ぎながら二塁ベース付近から強い送球をするための練習に時間を割く。
「二遊間への当たりのほうが一塁からは遠い。そういう打球を捕ればランナーが二塁にいても1点を防ぐことができる」と“見どころ”を明かした背番号8。華麗な守備でこれからもチームを支えていく。
写真=BBM