
5月1日のヤクルト戦(横浜)、タイムリーを放った後、ライトスタンドの声援に応えた
悩めるバットマンに復調の兆しが出てきた。4月は打率.176とスランプに陥った
宮崎敏郎が、5月は1日のヤクルト戦(横浜)からマルチ安打を記録した。6回、目前でロペスが敬遠され「何とか打ちたかった」と発奮。強烈に左翼線に弾き返した。実に21打席ぶりの安打を祝福するベンチに向け、二塁ベース上から両手を突き上げて笑顔を見せた。
6日には久々の3号本塁打。圧巻は8日の
巨人戦(新潟)だった。二番で起用された宮崎は、一回無死三塁から相手エース・
菅野智之の初球を迷わずとらえて前進守備の一、二塁間を抜く先制タイムリー。さらに5回にも2球目の第1ストライクを積極的に振って左前打とした。不調時には、
ラミレス監督が「甘いボールを見逃し、難しいボールに手を出している」と指摘したように典型的なスランプの傾向がみられたが、それを振り払うかのような積極策で本来の打撃を取り戻してきている。
一昨年の首位打者であり、昨季も打率3割をマークした実力者の不振はチームにとって大きな誤算だった。ラミレス監督は宮崎を呼び出し、好調時と4月の打撃フォームの映像を見比べさせるなど、自ら指導に尽力してきた。それだけに久々のタイムリーには「不調を抜け出すウェークアップ
コール。われわれの知っている宮崎が帰ってきた」とにっこり。
チームは4月末から10連敗するなど最下位を進んでいるが、復調した宮崎が巻き返しへのキーマンになりそうだ。
写真=井田新輔