
チャンスに貴重な一打を放ちたい
高い期待値があるからこそ、もっと上を目指す。高卒2年目の
村上宗隆が、必死に一軍で汗を流している。5月6日の
阪神戦(神宮)ではチーム単独トップとなる9号ソロを放ち、
DeNA・筒香が同じく2年目に記録した8本塁打を超えた。
初めて開幕一軍で迎えたシーズン。序盤戦は苦しんだ。10試合を終わった時点で、打率はセ・リーグ最低の.176。周囲からの期待や重圧、一軍投手の高いレベルに苦戦していたとき、小川監督からは「気楽にやれ」と声をかけられた。めげずに努力を継続し、幾度とない降格の危機に、結果を残して「回避」。4月16日の阪神戦(松山)では、2試合連続となる3ランを放ち、指揮官に通算400勝をプレゼントした。
オフシーズンはアメリカに渡って、己を磨いた。メジャー・リーグでもプレーした大先輩の青木の自主トレーニングに同行。コンディショニングを整える重要性などを学んだ。打撃フォームについてもアドバイスを受けるなど、元メジャー・リーガーから多くを吸収し、シーズンに備えてきた。
小川監督は「みんなから愛される選手になってほしい」と期待をかける。開幕直後は苦しんだものの、徐々に状態は上向きになってきた。5月19日の時点で打率.230、11本塁打、33打点。19歳にしては素晴らしい成績だが、満足しているわけではない。「一軍で活躍できるように」と村上。守備ではまだ課題も残るが、自慢の打撃でさらなる上積みを図る。
写真=BBM