
勝ち星こそ伸び悩んでいるが、圧巻の投球内容を見せている
20歳の
山本由伸が、前半戦で球界を代表する投手に成長した。今季、一番のパフォーマンスを見せたのが6月28日の
西武戦(メットライフ)だ。
最速155キロの直球、150キロ台のシュート、140キロ台後半のフォークを駆使して、自己最多の11奪三振でプロ初完封を成し遂げた。
8回まで1対0の緊迫した展開にも「逆に引き締まった試合で最後まで集中できたと思う。仕事をした感じで達成感がありました。楽しいなと思いました」と涼しげな表情を見せた。
今季、救援から先発に再転向し、圧倒的な成績を積み上げている。13試合に先発し4勝4敗で12球団トップの防御率1.92、リーグ2位の被打率.201と寄せ付けていない。味方打線の援護に恵まれず勝ち星は伸び悩んでいるが「勝敗にこだわりはないので気にしていません。イニング、防御率などの自分の結果がでるところをよくして、仕事をすればチームにとってもいいと思います」と安定した姿を見せている。
8回を任された昨季よりも力みが無くなり、今季は最速156キロをマークするなど球速はむしろ上がった。
昨季、中継ぎで出場したオールスターに、今年は先発として2年連続で選出された。自主トレを共に行うなど親交の深い
DeNA・
筒香嘉智には昨年、直球勝負を挑んで本塁打を打たれており「今年はしっかり対戦できるように。作戦は秘密です」と待ち望み、左飛に打ち取った。
成長が止まらない右腕が後半戦でさらに飛躍する。
写真=BBM