
チームの浮上のためにも中村奨には本領を発揮することが求められる
歯がゆさが残る前半戦になったのだろう。
中村奨吾は「プロは結果の世界。結果が出ていないので何も言えない」と、前半戦の戦いを振り返った。
昨季は143試合フルイニング出場を果たし、打率.284、39盗塁をマークするなど不動の三番の座を確たるものにした。今季も同様の活躍を見込まれたが、4月中旬の練習中に
清水将海バッテリーコーチと衝突し、左目付近を裂傷。ボールに焦点が合いづらくなり、インパクトの瞬間が定まらなくなった。
オールスター時点で規定打席到達者33人中最下位の打率.231。盗塁数は下半身のコンディション不良があり、わずかに10だ。それでも、満身創痍の中で言い訳は一切せずグラウンドに立ち続けている。中軸として自己新の12本塁打と長打力は伸びた。だが、納得のいく打席は少なく、「(自主トレの成果が)出ているときもありますけど、たまたまです」と控えめだ。
チームはクライマックスシリーズ圏内を狙えるポジションにつけており、まだまだ巻き返しは十分に可能だ。
井口資仁監督は上位進出がかかる後半戦のキーマンに中村奨吾を指名し、「まだまだ状態を上げていってほしい」とハッパをかけた。
「調子が悪いと思われれば外されるでしょうし、自分は毎日試合に出られるようにしっかり準備をするだけ。その準備に、結果がついてくればいい」と背番号8。打線の“核”が本来の姿を取り戻したとき、
ロッテの反攻は始まる。
写真=BBM