
7月にはフレッシュオールスターに出場し、豪快なスイングを披露
楽しみな選手であることは疑いようがない。今季、ドラフト2位で入団し、引き継いだ背番号は
荒波翔の「4」。
伊藤裕季也にも、先輩選手と同じような期待がかけられた。
入団会見で色紙に書き記したのは「準備」の文字。「プロで戦うためには結果が大事。結果にこだわるために、抜かりなく準備をしていきたい」と決意表明した。立正大では4年時に主将を務め、秋季リーグ優勝と明治神宮大会優勝に貢献。
ラミレス監督は「すごい才能を持っている。将来は、四番を打つ可能性を十分に秘めている」と戦力構想に組み入れた。冷静に自己分析ができ「大学時代からの課題。逆方向に強い打球が打てる宮崎(
宮崎敏郎)さんに話が聞きたい」と向上心も旺盛。胸を躍らせ、プロの世界へ飛び込んだ。
二軍スタートだったキャンプは2月17日の
巨人戦(那覇)でデビュー。左腕・
田口麗斗からいきなり右前打を放った。「自信にし過ぎず、やっていこうと思います」。控えめな新人への吉報はその6日後。アピールの場を一軍に変えた。本職の二塁はソト、
石川雄洋、
柴田竜拓らが競う激戦区。
状況が暗転したのは3月7日の
中日戦(ナゴヤ球場)だった。打撃時の緩慢な走塁で「受け入れがたいプレー」(ラミレス監督)と懲罰交代を命じられた。再浮上することなく、ここまで一軍出場なし。悔しさを胸に刻み、イースタンでは79試合で11本塁打を記録している。182センチ、96キロ。前途を切り開くだけの力は、十分に持っている。
写真=榎本郁也