
今季、首位打者を獲得すれば捕手としては史上4人目の快挙となる
初めて開幕から先発マスクをかぶり続ける
森友哉。正捕手の座を不動にできるか、大きな注目を集めているが、一方で打撃でも開幕から好調で球界をにぎわせている。
開幕直後の4月早々から打率首位に躍り出た。5月5日から4試合連続無安打となったが、それ以外では状態を落とすことはなく、一度も3割を切っていない。8月13日現在、.337で首位打者に立つ。
好調の要因に本人は「つなぐ意識の向上」を挙げる。今季は三番、五番を任されているが、後ろには
中村剛也が座る打順が主となっている。「後ろに中村さんがいるので、とにかくつなぐことを常に考えて打席に入っているのが、いい結果として出ているのかもしれません」。毎年、「調子の波を少なく、小さく」することを心掛けてきたが、「悪かったときの修正法や、なるべく早く直すということが、今年はできているとは思います」と、うなずく。
辻発彦監督も、「毎日捕手をやるのは初めての経験でしんどいだろうけど、集中力を切らさずに大したもんだよ。ただ、アイツはもともとバッティングは天才だから。(3割超えは)不思議でもなんでもない」と、最大級の賛辞を惜しまない。
大きく状態を落とさなければ、首位打者獲得も現実味を帯びる。だが、森は「自分はそこじゃない。まずは守り。試合に勝つことが第一」ときっぱり。とはいえ、「打率3割以上」を自らに課しているのも事実だ。入団時から目指してきた“打てる捕手”の称号を手に入れたとき、タイトルにも輝いていたら、それが最高の証明書となる。
写真=BBM