
8月10日に左外腹斜筋損傷で登録抹消した山本由伸。規定投球回に到達できるか
8月10日に左外腹斜筋損傷で登録抹消も、高卒3年目の右腕がタイトル獲得へさらなる高みを目指す。
8月12日時点で16試合に先発して6勝4敗、防御率1.84。12球団で唯一の防御率1点台と球界のエースへと名乗りを上げている。
後半戦開始でギアを上げ、7月27日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも圧巻の投球を見せた。
最速155キロの直球を軸に5回二死まで1人の走者も出さない完全投球。6回から9回二死までも走者を出さず、今季2度目の完封目前に迫った。この日は140キロ台中盤のフォークが「よくなかった」が「カットボールに頼ってこの結果になりました。逆によくないときに別のボールで抑えたのが成長した部分」と完璧な状態ではない中でも鷹打線をねじ伏せた。
それでも、「すごく悔しい」と思わず口にした。9回二死から連打で二、三塁とすると
デスパイネに右越え3ランを浴びて無念の降板。登板の度に成長を続ける右腕は「ボール先行になったのがよくなかった」とあと1アウトを奪えなかったことを課題に挙げた。
マウンドではピンチでも笑顔がこぼれる。「緊迫した展開も楽しい」と野球を常に楽しむ姿勢が向上心の源だ。加えて、都城高時代から一部の練習メニューを自ら考えて行うなど「自分で考える力」をつけた。
プロ入り後はやり投げ練習を取り入れるなど、独特のフォームを習得。ドラフト4位で2018年に入団した20歳が、タイトル獲得の最右翼に位置しているが、今後は患部の状態を確認しながらリハビリ等を行っていく予定。規定投球回まで、あと25.1イニング。タイトル獲得は、復帰時期にもよりそうだ。
写真=BBM