
先発の柱の1人へと成長した種市
3年連続でBクラスに沈んだチームで多くの選手たちは厳冬更改が待っている。一方、
種市篤暉は投手陣でトップ査定を勝ち取りそうだ。
開幕は首脳陣の判断で中継ぎスタートも、4月末に先発に転向すると、怒とうの勢いで白星を量産。8勝2敗2ホールドをマークした。勝ち投手の権利を得た状態で降板して救援陣が打ち込まれ、勝ち星が消えたケースも数試合あったことを考えれば、10勝投手級の評価となるだろう。
21歳の若き右腕は「9月にバテてしまったので、まだまだやれるというのはあった」と自己評価は厳しめだったが、「契約更改は楽しみですね。頑張れば頑張った分だけ給料も上がって、オフも楽しめるのがプロの世界なので」とニヤリ。“バラ色のオフ”が待ち遠しそうだった。
今季の推定年俸は680万円で300パーセント以上の大幅アップは確実。気になる使い道だが、「僕、運転免許を持ってないので車を買うのはもうちょっと先ですね」と笑いながら、「上がった分で両親が欲しいというものを何かプレゼントできればと思っています」と続けた。故郷・青森にいる家族への日ごろの感謝の思いを形にするつもりだ。
今オフは多くのメジャー選手も利用するアメリカ・シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に“野球留学”する。投球フォームの解析に加えて、球速アップのためのトレーニングを積むことになる。飽くなき向上心を成長の源に、2020年は今季以上の飛躍を目指す。
写真=BBM