
ファンの大歓声が決め手となって残留を決意。かつての本塁打王が復活を期す
節目の1本を記録したシーズンとしては、悔しい1年になった。5月8日の
日本ハム戦(札幌ドーム)の5回、無死一塁で右前打を放ち、通算1000安打に到達。昨季までの同僚・金子弌大からの一打に「気持ちでは負けないように」と気合いがこもった打席だった。
だが、プロ14年目の今季はわずかに6安打。20試合の出場で打率.120、1本塁打、2打点とキャリアワーストになってしまった。
復活に向けて異国の地で野球と向き合う。10月下旬にプエルトリコのウィンター・リーグに参加するため出国。若手の
鈴木優、
漆原大晟とともに31歳のベテランが12月下旬まで修行する。
「向こうは自由にいかないことが多い。それに対応していかないと。コミュニケーションもとりたい。自分のいいところを出したい」と約20本のバットを持って旅立った。
海外でのプレーは2007年に中国・北京で行われたプレ五輪の日本代表に選ばれて以来。立場が違う中で、10年の本塁打王がハングリー精神を高めている。
今季で3年契約が切れたが、保有する海外FA権を行使せずに残留。推定年俸1億2000万円から減額制限上限の40パーセント減となる9000万円で新たに3年契約を結んだ。「ここ2年、まともな成績を残していないのにチームに必要と言っていただいてうれしかった。とにかく結果にこだわっていきたい」と決意を新たにした。
同期入団の
岸田護が引退。チーム最古参となった大砲が復活に向け燃えている。
写真=BBM