
11月23日から開幕する「2019アジアウインターベースボールリーグ」(台湾)にも参加する尾形
球界のエースまで成長した
千賀滉大が日本シリーズ初戦で3年連続日本一への道筋をつくった。侍ジャパンでは
甲斐拓也が「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩を披露。さらに異例の“足枠”で招集された
周東佑京が、11月11日の「WBSC プレミア12」オーストラリア戦(ZOZOマリン)でヒーローになった。驚くべきはいずれも育成ドラフト出身。その育成枠からまたもやニュースターが誕生の予感だ。宮崎・秋季キャンプで
尾形崇斗が首脳陣の目を釘付けにした。
福島・学法石川高出身の二十歳。2年目の今季は三軍でじっくりと育てられた。三軍戦と10月の「みやざきフェ
ニックス・リーグ」で計31試合に登板。投球回の66回2/3を大幅に上回る104奪三振、防御率1.62と大器の片りんを示した。入団時に最速145キロだった真っすぐは152キロまで上がった。フォークを武器に三振の山を築く姿は千賀とも重なる。
秋季キャンプのブルペンでは
工藤公康監督から熱い視線を送られた。「すごく緊張しました」と汗をぬぐったが、力のこもった投球でアピール。指揮官も「球に力があるね」と評価した。投球だけでなくランニングメニューでも元気いっぱい。「(力を)抜いたりとか自分に負けたりすることはもうないので、あとはほかの人に負けないようにするだけ」と気概を見せる。
支配下をつかみ取れば、先輩たちのようなシンデレラストーリーも現実味を帯びる。「来年はヒーローインタビューを受けたい」。育成の星が誓いを立てた。
写真=湯浅芳昭