
侍ジャパンでの経験が今永をさらに大きくした
飛躍のシーズンを鮮やかに締めくくった。日本代表として国際大会「プレミア12」に参加した
今永昇太が11月13日のスー
パーラウンド、メキシコ戦に先発して6回をソロ本塁打のみの1安打1失点と好投した。大会5連勝中だった相手の強力打線をねじ伏せ、前夜に米国に敗れて決勝進出が危ぶまれたチームの窮地を救った。
代表合流後の今永は圧巻だった。沖縄・セルラースタジアムで行われたカナダとの強化試合は3回無失点で6奪三振。オープニングラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦でも敵地のマイクパフォーマンスを使った大声援に圧せられる中で3回無失点と役目を果たした。速球は切れ味鋭く、今季の躍進を支えたカットボールは海外打者相手にも威力を発揮。
稲葉篤紀監督も「左の1番手」と信頼を強調する姿は、今季終盤に陥った不調からの完全脱却を印象づけている。
復調のヒントは代表合宿中につかんだ。同じ左腕の
中日・
大野雄大ら好投手が集う環境で、今永は自身が好調だった前半戦とのフォームの違いに気付いた。「投げるには足を上げてバランスを取った後、崩す作業が必要。体の後ろ、左側でやっていたのを、前でやる感覚にした」。具体的には、上げた右足を降ろす際、小さく蹴るような動作を加えた。これにより体重移動がスムーズになり「シーズン後半はリリースの感覚に違和感があった」という点が解消された。
昨年のオーストラリア・リーグ参戦に続く秋の収穫。来季も左腕の投球に期待大だ。
写真=BBM