2017年に15勝を挙げ、自己初のタイトルとなった「勝率第一位」を獲得し、チームのリーグ優勝に大きく貢献した姿は今年もなかった。大きな期待を背負って臨んだ18年シーズンは9試合の登板にとどまり、2勝1敗。復活をかけて臨んだ今季は4試合の登板で0勝2敗、防御率9.24。プロ入り後初のゼロ勝に終わった。
「数字を見てもらったら分かる通り、悔しいシーズンでした」
リーグ4連覇を懸けて挑んだ今季は、これまでの疲労が蓄積したのか、3連覇を支えてきた主力選手が不振や故障により離脱。その影響もあってか、シーズンが深まるにつれて、チームは失速し、クライマックス・シリーズ進出をあと一歩で逃した。セ・リーグの絶対王者から一気にBクラスの4位にまで転落した。
チームが王座を奪還するには薮田和樹の復活は必要不可欠だ。不振の原因について薮田は「それは分からない。それが分かったときにはもう1回勝てていると思います」と頭を悩ませながらも、復活へ一歩ずつ歩みを進めている。若手中心で組まれた秋季キャンプにも参加し、走り込みのメニューでも懸命に取り組み、背中で若手選手を鼓舞した。
秋季キャンプでは下半身主導で力を出すことを意識したフォームに取り組んだ。17年と比べ、「感覚はそんなに大きな差はないです」と話す。来季自身に求める姿については「理想は開幕から先発ローテーションに入って、全試合勝つことです」と覚悟を口にした。
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