
勝負の就任5年目のシーズンを迎えるラミレス監督
迷いなく言い切った。ラミレス監督の目標は、ただ一つだ。「私ができることをすべて出し切って、本当にベストを尽くす。必ず優勝します」。就任5年目。まず植え付けたのが「競争」だ。最大のテーマはMLBレイズへの移籍が決まった
筒香嘉智の後釜探し。四番打者、主将としても存在は絶大だっただけに、決して容易な作業ではない。
代打で打撃開眼した
佐野恵太を筆頭に、
細川成也や
楠本泰史、ベテランの
梶谷隆幸ら候補は多数。さらなる驚きは「聖域」にもメスを入れたことだろう。レギュラーについて「確実なのは宮崎(
宮崎敏郎)と
ソトぐらい」と強調。「あとはすべて競争」と不動の一塁手だったロペスもサバイバルの対象とした。在籍5年間で146本塁打、4年連続ゴールデン・グラブの名手。ところが、メジャー通算33発の
オースティンを獲得し、決して安泰な立場ではなくなってきた。一軍の外国人枠は「4」。リリーフのエスコバー、
パットン、先発候補として新加入した
ピープルズを含め、計6人の助っ人勢にもハイレベルな争いが待っている。
捕手も固定されつつあった
伊藤光に安心感を与えず、
戸柱恭孝や
嶺井博希らで横一線。機動力強化など、チーム力の底上げに懸命だ。ラミレス監督就任以降、過去4年間で3度のAクラス入り。19年は4月の10連敗から息を吹き返し、首位・
巨人に0.5ゲーム差まで迫る時期もあった。シーズン2位は、優勝した1998年以降の最高順位。本拠地・横浜スタジアムが沸くのは、東京五輪だけではない。
写真=BBM