
ライバルが増えるが負けるつもりはない
背中でチームを束ねる。選手会長の
中村悠平にとって、2019年は手応えと悔しさが入り交じったシーズンだった。
個人成績では126試合に出場し、規定打席に到達したシーズンではキャリアハイとなる打率.269の数字を残した。「ボール球にあまり手を出さないようになった。見え方が違ってきたことは進歩したところ」と、こちらもシーズン自己最多の53四球を選ぶなど、好球必打の姿勢が好結果につながった。18年は試合途中で代打を送られることも多かったが、今年はそのような場面も減り、「そういった点ではよかったと思う」と充実感を漂わせた。
だが、チームリーダーとして悔しさは人一倍感じた。「チームの勝利、成績に直結するポジションなので、悔しいシーズンではあった」と振り返るように、チームは5月14日の
広島戦(マツダ広島)から6月1日の
DeNA戦(横浜)まで16連敗を喫するなど圧倒的な最下位。チーム防御率(4.78)はダントツで12球団ワーストを記録し、扇の要を守る存在として「責任を感じます」と正直な思いが口をついた。
20年は、体制も新たに巻き返しを図るシーズンとなる。チームには、
楽天から経験豊富なプロ14年目のベテラン捕手・嶋が加入する。「キャッチボールにしても、バッティングにしても嶋さんの顔が浮かんできます。ほかの選手とも競って、勝ち取っていきたい」と鼻息は荒い。結果で示し、チームをしっかりとまとめる。
写真=BBM