
再浮上を期す
再び「定位置」を奪い取る。プロ18年目の
坂口智隆は、雪辱に燃えている。昨季は開幕3戦目の
阪神戦(京セラドーム)で死球を受けて左手親指を骨折。必死にリハビリに励んだが、復帰後もなかなか状態は上がらなかった。
出場は
オリックス時代の2015年以来、4年ぶりに100試合を下回る22試合にとどまり、打率.125。「苦しかったです。なるべく早く復帰したいという思いがあって、(試合に)出られるところまでは持っていけたんですけど、そこで結果が出せなかった」とシーズンを振り返った。
ヤクルトに移籍した16年以降、外野のレギュラーに定着。18年には7月の後半戦からは一番に座り、斬り込み隊長として出塁率.406を誇って同年の2位躍進に貢献した。だからこそ、昨シーズンは余計に悔しかった。「レギュラーとして試合に出ることは絶対に達成したい。一年間一軍の試合から離れて強く思いました」と今季への決意をにじませる。
長年主砲として活躍してきた
バレンティンが、
ソフトバンクへ移籍。新たな強力打線を作るため、高津新監督は「出塁してくれる人が一番にいないと」と一番打者をキーマンと位置づけており、オリックス時代の11年に最多安打のタイトルを獲得するなど高い出塁能力を誇る坂口は適任と言える。
7月には36歳を迎えるが「出られるならどこでも」とレギュラー争いに参戦する覚悟。5年ぶりのV奪回へ、坂口の仕事ぶりがカギとなる。
写真=BBM