
郡司はルーキーイヤーから正捕手争いに参戦する
1月13日。新人合同自主トレを視察した
伊東勤ヘッドコーチはある新人の動きにじっと目を凝らし、こう言った。「打つに越したことはない。でも捕手はやっぱり守ることが最優先になってくる。ただ、チャンスはあるよね」。視線の先にいたのはドラフト4位の
郡司裕也。昨秋の明治神宮大会で慶大を日本一に導いた「勝てる捕手」だ。
昨季は一塁の
ビシエド、中堅の大島、三塁の高橋、二塁の阿部がリーグの打率10傑に入り、遊撃の
京田陽太も3年連続で規定打席に到達した。右翼には
平田良介、左翼には昨季18本塁打の
福田永将とケガからの復活を目指す
アルモンテがいる。白紙なのが扇の要。昨季も固定はできなかった。
強肩を買われ、チーム最多の75試合で先発マスクをかぶった
加藤匠馬もシーズン途中に二軍落ちがあった。伊東ヘッドは「そこそこできるようにはなったけど、一本化できなかった」と指摘。経験のある
大野奨太、打力が魅力の
木下拓哉と
桂依央利、2年目の
石橋康太を含め、現状は横一線。キャンプ一軍スタートとなった郡司も候補の一人となる。
練習試合やオープン戦の起用について、伊東ヘッドは「最初は順番に、みんなを使っていくことになると思う。競争して勝ち取るしかない」と全員に奮起を促した。2リーグ分立後、
中日で新人捕手の開幕スタメンはない。「開幕一軍を目指してやっています。しっかり準備していきたい」と意気込む郡司。開幕マスクを勝ち取れば球団史に名を刻むことになる。
写真=榎本郁也