
柔らかなハンドリングの内野守備も魅力なデラロサ
オープン戦で外国人打者勢が好調な
DeNAには、さらに面白い秘密兵器がいる。今季から育成選手契約で加入したスイッチヒッターの内野手、
フランディー・デラロサだ。球団が一昨年からドミニカ共和国で始めたトライアウトの第2回の合格者。二軍で過ごした春季キャンプで首脳陣の評価を一気に高めた1人だ。
一、二軍ともに沖縄で春季キャンプを張るDeNAは、指導陣が視察できるように休日をずらして組むのが慣例となっている。デラロサは、
ラミレス監督らが見守った2月17日の
中日戦でドラフト1位ルーキー・
森敬斗に替わって途中出場すると、1打席目でいきなり
松葉貴大から本塁打を放った。左翼手が一歩も動けない特大の当たりは、球団担当者によればトラックマンで「ソト級の打球速度」を叩きだしたという。
さらに左打席に移った2打席目も豪快なスイングでとらえ、中堅フェンスを直撃。あわや左右両打席本塁打という強烈なインパクトに、視察を終えた一軍首脳陣は「あれは良いぞ」と口々につぶやいた。
デラロサは2013年からカブス、レンジャーズ、ジャイアンツの傘下マイナーを渡り歩いたが、2Aにもたどり着けなかった。「日本の文化も学びたい」と新天地での飛躍を心に秘めている。「ドミニカで『華麗』を意味するフローと呼ばれたいね」と話すだけあり、188センチ、92キロの体格に似合わずハンドリングの柔らかい守備も魅力。外国人枠はし烈な競争だが、一軍で見る日は近そうだ。
写真=大賀章好