
開幕一軍を目指し、オープン戦、練習試合でアピールを続けた齋藤
新たなムードメーカーが誕生した。3年目で一軍定着を狙うリリーバーの
齋藤俊介だ。オフには守護神・
山崎康晃の自主トレに同行して一流の取り組みを学び「精神的、技術的にいろいろな発見があった。勝ちパターンを任される投手になりたい」と飛躍を期している。
沖縄キャンプの実戦では計5イニングを投げ、許した安打はわずか2本のみ。
ラミレス監督から「キャンプMVP」の1人に選ばれた理由は、それだけではない。ウォーミングアップ前の恒例である円陣での“声出し”。毎クールのように指名された齋藤はその度に考え込まれたネタを披露し、チームに明るい1日をもたらしていた。
ある日は、昨季の試合で投ゴロを捕球した際に球がグラブから抜けなくなった場面を再現。「戦力に食い込むどころか、グラブにボールが食い込み……」と振り返り、「今年は気持ちとグラブの紐を締めて。開花宣言!」と活躍を誓った。ナインの笑いを誘ったが「球界きってのゲラ(笑い上戸)の
大和さんにダメって言われました。30点です」と自己採点は厳しかった。
笑顔の裏には苦労がある。期待された1年目はキャンプ序盤に右ヒジ痛で離脱。さらに右肩手術を受けて二軍戦でも登板がなく、ファン感謝デーで見せた「ひょっこりはん」のモノマネが唯一の見せ場だった。持ち味を発揮しだした齋藤を、ラミレス監督は「パフォーマンスができ、試合のパフォーマンスもいい。まさに我々の求めるニュージェネレーションだ」と期待している。
写真=高原由佳