
大先輩の前で好投を見せた津森
キャンプからオープン戦を通じて首脳陣の期待を最も高めているルーキーが、ドラフト3位の
津森宥紀だ。チームにはいないタイプの右のサイドスロー。オープン戦は6試合に登板し、計6イニングを無失点で被安打2と完璧に抑えた。この6戦はすべてセ・リーグ相手だったが、3月22日の
ロッテとの練習試合(PayPayドーム)では2点リードの8回に登板し1イニングを無失点。チームが昨季8勝17敗と苦手とした相手にも結果を残した。
森山良二投手コーチは「実戦のほうが良さが出る。(シーズンでも)いいところで投げられるんじゃないかな」と評価するなど、開幕一軍入りどころか、いきなり勝ちパターンを任せる可能性も高まっている。
結果を残し続ける新人右腕について、
工藤公康監督も「打者とちゃんと勝負していることが結果に結びついている」と、ストライクゾーンの中で強気に攻める姿勢を高評価する。3月7日の
DeNA戦(横浜)では、シーズンを想定し
嘉弥真新也のワンポイント登板の後を受け8回一死から登板。
桑原将志を143キロの直球でバットを折り二ゴロに仕留めると、
オースティンは思い切り腕を振った外角スライダーで遊飛に打ち取った。この場面には、東北福祉大の先輩でテレビ解説のため球場を訪れていた
佐々木主浩氏も思わず拍手を送った。
津森自身も、日米通算381セーブを挙げた佐々木氏をかねてプロでの目標に掲げている。その大先輩が躍動し続けた横浜スタジアムで結果を残し、試合後にはがっちりと握手を交わした。「チャンスだと思っているので、グイグイいきたい」。鼻息荒いサイド右腕が、大ブレークを狙う。
写真=BBM