
着実にステップを踏んでいる佐々木朗
調整のステップを踏むごとに、その期待感は増していった。ドラフト1位ルーキー、
佐々木朗希が3月24日、ZOZOマリンで行われた練習で打撃投手を務め、プロで初めて打者と対戦した。全て直球で25球を投げ、最速157キロを3度マークしたが、「球速にばらつきがあった。安定していい球を投げられるようにしたい」と満足する様子はなかった。
特筆すべきは制球力の高さだ。
福田光輝と
茶谷健太の若手打者2人に対し、きっちりとストライクゾーンにボールを集めた。見守った
吉井理人投手コーチは「球の速さもそうだけど、初めての打者相手の投球で注目される中、ほとんどストライクだった。すごいと思った」と賛辞を惜しまない。
吉井投手コーチら首脳陣が考えた育成プログラムの下、徐々に投球の強度を上げてきた。初めてブルペンに入ったのは、沖縄・石垣島キャンプの最終日となる2月13日。投球練習で初めて変化球を投げたのは3月13日だった。高校時代の好調時の感覚に戻している段階で「自分でも気を使いながらやっていきたい。状態は上がってきているし、もっと投げればさらに上がっていく」と頼もしい。
3月27日には2度目の打撃投手を務めて変化球も解禁。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が大幅にずれ込むなど、プロ野球界も大きな影響を受けている。そんな中で「令和の怪物」が見せつける圧倒的なスケール感は、開幕を待ちわびるファンに明るい話題をもたらしている。
写真=BBM