
6月26日のオリックス戦(ZOZOマリン)では、8回に逆転適時打。好打の九番打者として存在感を示している
約2カ月半ぶりの実戦となった練習試合で打撃開眼を印象付けた。6月2日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)で2ランを放つと、翌3日の同戦でも2試合連続アーチを記録。新型コロナウイルスの感染拡大で球団施設が使えない期間に自宅の駐車場で黙々とバットを振り込み、原点に立ち返って快音を響かせた。
「家で素振りをするなんて中学生以来。野球少年みたいな感覚になった」
駐車場でバットを振った際、プロ野球選手と気付かれたかどうかは分からないが、「こんなところで、何しているの」と行き交う人々の冷ややかな視線を感じたという。トレーニングも含めると2時間弱。限られた環境の中で、自らの技術を磨いた。部屋に戻ってからは、同じ左打者のオリックス・
吉田正尚や
西武・
森友哉の映像を研究し、得たヒントを自分の打撃に取り入れた。
岡山理大付高から亜大、トヨタ自動車を経て、2018年のドラフト2位で入団。1年目は遊撃手として全143試合に出場したものの、2年目の昨季は右脚の肉離れに苦しみ、81試合の出場にとどまった。
今季は「全試合に出るのは最低限の目標。しっかり反省を生かし、チームが優勝できるように引っ張っていきたい」と自覚をにじませる。
新人年は打率.230、2年目の昨季は打率.264だったことを考えると、3年目は打率.280が目標ラインとなるか。打順は主に九番で、
井口資仁監督は「塁に出て上位につなげるなど、彼にはいろいろな役割がある。今年は良いシーズンになるんじゃないか」と期待を寄せる。
新人の
福田光輝や3月に加入した
鳥谷敬を突き放し、3年連続の開幕戦スタメンを果たした。不動のレギュラーとして確固たる地位を築くためにも、バットで存在感を示していく。
写真=BBM