
4年目の今季、さらなる飛躍を目指す今井
自主練習期間中、視察を禁止されていた
辻発彦監督は「選手たちがこの期間をどううまく利用してくれるかがカギを握る」と思っていたという。実際、多くの選手が有意義な
ブラッシュアップ期間にできたであろうことは、6月の練習試合で『優勝』という結果が出たことにも表れていると言っていい。
その中でも、ひと際、成果を見せていたのが
今井達也だ。昨季、初めてシーズン通して先発ローテを守り7勝。今年は本格的に先発の柱としての真価が問われるシーズンとなるが、キャンプ、対外試合と精彩を欠き、オープン戦はマウンドに立つことすら許されなかった。試行錯誤を重ねる中で訪れた開幕延期の知らせは、救いだった。「自分はどういう投手を目指すべきか」を自問自答し、投球スタイルを再確認。「きっちりコースを突いていくタイプではない。強い真っすぐを、大胆に」。それこそが自らの真骨頂であることをあらためて確信した。そこまで整理がつけば、自ずとやるべきことは見えてくるものだ。「強い球を投げるためにはどうしたらいいか」に特化し、徹底的にフォームから見直し、改善した。
全体練習が再開され、紅白戦、練習試合、二軍戦での3回の登板は3回無安打無失点、5回4安打1失点、4回1安打無失点と圧巻の投球内容だった。「最近強い真っすぐが投げられている。直球でファウルもカウントも取れていることで三振も増えた」と納得の表情を見せれば、指揮官も「非常に安定している」と満足げにうなずいた。まさに万全の状態で開幕を迎えた。
しかし、今季初登板となった6月24日
ソフトバンク戦(メットライフ)で暗転。自己最速タイの155キロをマークしたが6回、
今宮健太に逆転3ランを浴びるなど6回2/3で12安打7失点とチームを勝利に導くことはできなかった。「練習試合や紅白戦でやってきたことを出すことができませんでした。気持ちの面など反省点が残ります。また6回のホームランについても、あの場面はボール球でもよかった場面。低め低めという意識で投げなくてはなりませんでした」とうなだれた今井。「次回以降、今日の反省を生かしていかなくてはなりません」とも語っていたが、7月1日の
オリックス戦(メットライフ)では本来のピッチングをできるだろうか。
写真=BBM