
開幕から打撃が好調だ
太田光は二塁ベース上で照れくさそうに、わずかに白い歯をのぞかせた。6月24日の
日本ハム戦(
楽天生命パーク)。2点リードで迎えた8回二死二塁。高めに浮いた変化球に腕を伸ばした。ダメ押しの適時二塁打が、左翼線で弾んだ。
同23日の日本ハム戦(同)では4回先頭、マルティネスの147キロ直球を引っ張り左翼線二塁打。2打席連続の二塁打で存在感を示した。開幕戦からほぼ全試合で先発出場。八番を任された扇の要は、一時は打率3割超えをキープするなど健闘を見せている。
昨季は新人ながら55試合に出場も、打率は.219に終わった。ミート力の向上が課題の一つだった。今季はその課題も踏まえて打撃フォームを改造した。「シンプルに無駄な動きをなくすことを意識しています。下半身主導の打撃で、引っかけた打撃にならないように意識しています」。
同27日の日本ハム戦(同)ではプロ初の猛打賞となる4打数4安打の固め打ち。三木監督は「サポートしているコーチと取り組んで、いろんなことができるようになった」と一定の評価を与えたる。
一方で
ヤクルト時代、故・
野村克也監督から薫陶を受けた指揮官は、太田にさらなる成長を求める。「名捕手という方々は、打撃がいい方がすごく多い。捕手は守備も大事だけど、打てる捕手というところもポイントになる」。
指揮官がハッパをかけたのも、その潜在能力を高く評価しているからだ。太田、辰己ら下位打線が奮起すれば、打線はさらにスキがなくなる。2年目捕手は慢心することなく、バットを振り続ける。
写真=BBM