
1年目から確かな存在感を示した
果たして、これほどの活躍を予測できたファンの方はいただろうか。ドラフト1位・
小深田大翔が新人年で躍動した。主に遊撃で112試合に出場。規定打席以上での打率.288は、2016年の
茂木栄五郎(打率.278)を上回り、
楽天の新人野手としては最高記録となった。
シーズンでのマルチ安打は34度をマーク。これも楽天の新人選手としては最多記録だ。07年に
渡辺直人が記録した32度を上回った。「最初のほうはなかなか打てなかったですけど、コーチの方々にいろいろと教えていただいて、徐々に結果が出てきた」と振り返った。
本人が語るとおり、データで見てもシーズン序盤は苦労していた。7月までの30試合を終えた時点で、打率.237。差し込まれる場面が目についた。変化球への対応にも苦しんでいるように見えた。
金森打撃チーフコーチや、
鉄平打撃コーチの指導は、もちろん大きな力になった。ただ、本来は同じ内野手としてライバルになるはずの藤田の指導も支えになったという。「守備でも打撃でも、体の使い方を教えてもらった」。先輩の助言も力に変え、後半戦はリードオフマンとしてチームを引っ張った。打率.288はチーム2位(規定打席以上)。61得点はチーム3位。17盗塁は堂々のチームトップ。いずれも茂木の新人年の数字を上回った。
茂木は1年目のオフ、2000万円増の3200万円で更改。そして11月26日に契約更改交渉に臨んだ。対する小深田は、1800万円増の3300万円でサイン(金額はすべて推定)。アップ額こそ及ばなかったが、2年目の年俸では上回った。茂木の背中を追いかけ、ともに球団の顔となるべく、着実に階段を昇っている。
写真=BBM