
大貫とともに右の先発ローテとしてフルシーズンを投げ抜きたい
勝負の3年目と言っていいだろう。2019年のドラフト1位入団、
上茶谷大河には先発の柱としての一本立ちが望まれる。昨シーズンは開幕直前の右ヒジ炎症で出遅れ、シーズン終盤は右手指の違和感で離脱。故障に泣いて2勝(3敗)にとどまった。推定年俸4300万円の現状維持でサインした契約更改交渉の席では、三原一晃球団代表から2ケタ勝利を期待され「最初から最後まで一軍で投げ抜く。高い水準で成績を残してチームの勝利に貢献したい」と誓った。
飛躍への手応えはある。昨年9月23日の
阪神戦(甲子園)ではプロ入り後最多の144球を投げ抜き、6安打10奪三振でシャットアウト。「投球に対して、意図を持つことができた。ルーキーイヤーはただ相手に向かって投げていただけ。そこは少し成長できたかな」とうなずく。
今シーズンへはさらに決め球のカットボールを生かすため、対になるツーシームの向上に取り組む。昨シーズン10勝を挙げた同期入団の
大貫晋一に助言を仰いでいる。「今まではリリースで手首を違う方向に曲げたりひねったりして、それが他のボールに支障が出ていた。大貫さんのは直球と同じリリース。そこが今までとは違う」。
今永昇太、の
東克樹は手術明けで開幕が見通せない。先発右投手では
井納翔一がライバル
巨人にFA移籍した。上茶谷の活躍が、
三浦大輔新監督の下で迎えるチームの浮沈を握っている。
このシーズンオフには、退寮して生活面でも自立。「両親が調理師免許を持っているので、メニューを聞いていろいろ作ってみたいです。何を作る? ロブスターのホイル焼きです」。軽妙なトークが今シーズンは、お立ち台でたくさん見られるはずだ。
写真=高塩隆