
昨季、打率.350で首位打者を獲得したオリックス・吉田正尚。さらなる飛躍を果たすため、キャンプでもバットを振り続ける
現在、12球団で最も遠ざかっているリーグ優勝。その二文字に向けて突き進む。今季から新選手会長に就任した吉田正尚が25年ぶりとなるリーグVへチームをまとめていく。
「選手だけじゃなくて、スタッフも含めて全員がいい方向に向かって戦っていけるように。(2年連続最下位と)もう、下はないので、上を目指してやっていくしかないと思う」
悲願成就へ。強敵に打ち勝ち、頂点に立って祝杯を上げるイメージを抱く。
「秋にはテレビでよく見る、音頭を取ってね。パパーンとみんなで盛り上がる。コロナが落ち着けば盛り上がれますし、それを祈ってあとはやるだけです」
背番号34を中心とした歓喜の輪を描けるよう力を込める。
昨季は打率.350をマークして首位打者に輝いた。自身初の打撃タイトル獲得も、オフは慢心なくトレーニングを続けた。「やっぱり、メンタル面。向上心。常に何か新しいことじゃないけど、柔軟に対応するところだったり、一つ目標を持って、一番を目指してやっていくというところ。タイトル争いもそうですけど、一番を目指すために頑張っていくこと」。誰よりも高い志で新シーズンを見据える。
1月中旬に大阪・舞洲で行われた契約更改交渉では「一流選手」を証明して見せた。プロ6年目野手の年俸2億8000万円(推定)は、オリックス時代の
イチローに並ぶ最高額。吉田正は2019年オフ、8500万円から一気に2億円に到達した。20年は.350の高打率で、チームの生え抜きでは00年のイチロー以来の首位打者を獲得。主に打撃面が評価され、記録的な上がり幅を手にした。
念願だった自身初の打撃タイトルに加え、年俸面でも堂々と球界の顔を張る立場。チームリーダーが、バットでも背中でもナインをけん引していく。
写真=BBM