
育成2年目のロッテ・本前郁也、ノビのある直球を武器に2ケタ番号を目指す
育成2年目左腕・本前郁也の評価が上昇している。175センチ76キロと驚くような体格の持ち主ではないが、140キロ台後半を計測する直球は、本塁ベースの近くで威力が増すような特徴がある。
沖縄・石垣島で行われた春季キャンプは自身初の一軍スタートとなった。
「キャンプが一軍だと聞いてから、ずっと一軍にいるつもりでいる。支配下になって一軍で投げたい。先発ローテーションに入って投げたい」
2月24日、4年連続日本一の
ソフトバンクとの練習試合では2番手として3回から登板し、3イニングを完全投球。左対左となった
牧原大成、
周東佑京、
栗原陵矢ら昨季一軍で活躍した主力を直球でねじ伏せた。いずれも力ない逆方向への飛球に打ちとった。
球種は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップと決して多彩とはいえない。それでも直球がいいから変化球も生きる。
吉井理人投手コーチも「実力は一軍レベルに来ている。投げ方がすごくいい。思い切って投げてないように見えるけど、割と力が入っている。スピードガンよりも速く感じるはず」と高く評価する。
昨季リーグ2位と躍進したチームの先発陣は厚い。すでに、
美馬学、
二木康太、
小島和哉、
岩下大輝の4投手は先発ローテーション入りがほぼ当確という状況だ。それでも、残りの枠に本前が食い込んでくる可能性は十分にある。
井口資仁監督も「開幕に入って来られるようになれば……」と昨季二軍2勝の左腕に期待する。
オフにはソフトバンク・
和田毅に弟子入りし、合同自主トレに参加した。
「新しい感覚の発見ばかりだった。体幹、肩周りの使い方を教えてもらった」
背番号はまだ「120」だが、今季中に支配下登録される可能性も十分にある。
写真=BBM