
一発も打て、どこでも守れるユーティリティーの陽川。チームに欠かせない存在になっていきたいところだ
16年ぶりの優勝を狙うチームが開幕ダッシュに成功して快走している。新人・佐藤輝の加入が大きいが、長いペナントレースは山あり谷ありだ。
そこで貴重な存在になってくる一人が
陽川尚将だろう。チーム構成を考えると、一塁と外野を守れて、対左投手の際も積極的起用ができる。
「毎年新しい選手が入ってくるし、毎年が競争であることは分かっているつもりです。しっかり結果を出さないといけない立場だと思っていますから」
佐藤輝明が初めてスタメンを外れた4月4日の
中日戦(バンテリン)で、ルーキーに代わって出場したのが陽川だった。同点からの決勝打でアピールできた。
昨季は71試合に出場し、キャリアハイの8本塁打を放ったが、陽川自身は2ケタ本塁打に届かなかったことが不満だった。だからこそキャンプでは量、質とも打ち込んできた。
春先は
高山俊、
糸井嘉男らがライバル視されたが、現時点では大物新人の台頭ですっかりポジションを奪われた形だ。しかし、ここから出番をつかみにかかる強い気持ちに変わりはない。
5月4日の
ヤクルト戦(神宮)でも、2点を追う6回に代打で同点タイムリーを放っている。「いつ出てもいいように練習している」と努力を続ける。
今シーズンは出場機会が激減しているが、チャンスを求めながら強い戦闘意欲を持ち続ける。「1試合1試合大事にしていきたい」。スキあらば、取って代わる覚悟だ。
写真=BBM