
代打はもちろん、スタメンでここ一番で頼りになる長谷川
ベンチにいるだけで相手に重圧を与え、打席に立てば脅威の存在となる。本拠地のPayPayドームで代打・
長谷川勇也が告げられると、大型ビジョンには「打撃一閃」の文字が躍り、必殺仕事人のような出番が訪れる。ホークス一筋15年目。2013年に首位打者と最多安打に輝いたベテランのバットは、ひと振りでの存在感を示している。
切り札は当然、勝負どころで現れる。5月19日の
西武戦(メットライフ)。5対5ともつれたシーソーゲームは同点の9回一死三塁で代打として登場した。浅い左翼へのフライを打ち上げたが、三走・
牧原大成が好走塁で勝ち越しのホームイン。決勝犠飛となった。交流戦に入っても持ち前の勝負強さを発揮し、6月4、5日の
阪神戦(甲子園)ではいずれも代打で安打をマークした。
「1打席で結果を求められる代打の重圧の中でやっている。それが生きている」。しびれる場面での代打での経験はスタメンで起用された試合でもプラスになっているという。5月29日の
巨人戦(PayPayドーム)では先発で3シーズンぶりの1試合2本塁打。
工藤公康監督も「意味のある本塁打を打ってくれた。好調だからすぐに本塁打が打てるわけではない。本当に素晴らしい」と大絶賛だ。
常勝軍団の主力としてチームを引っ張ってきた自負もある。「(ベテランの)僕らがちゃんと(若手を)引き上げないといけない。若い彼らがどれだけ力をつけるか」。ただ、若手に簡単にポジションを譲るつもりもない。代打だけでなくスタメンでも36歳のベテランは光り輝く。
写真=BBM