
現状の一軍戦力を考えれば代打としての起用が向いているか。どこでも守れるユーティリティ性もあり、育成ながら面白い存在
秘密兵器の投入はあるだろうか。6月を12勝8敗2分けと勝ち越すなど立て直したように見える
DeNAだが、依然として借金10以上を残す。起爆剤として密かに期待されるのが入団2年目の育成選手、
フランディー・デラロサだ。2年連続で独立リーグであるBCLの神奈川フューチャードリームスへの派遣も経験。イースタン・リーグでは打率2割台前半で本塁打1と好結果を残せていないが、ポテンシャルに球団は自信を持っている。
デラロサは2013年からカブス、レンジャーズ、ジャイアンツと傘下マイナーを渡り歩いたが、2Aへの昇格も果たせず、19年11月にDeNAがドミニカ共和国で行ったトライアウトに参加。188cm、92kgの体格に似つかぬ器用さで二塁や外野手までこなし、両打ちのパワーヒッターとしても球団フロントの目に留まった。来日1年目の昨年の春季キャンプは一軍首脳陣が見守る練習試合で、まず右打席で特大の本塁打を放ち、続く左打席でもフェンスを直撃した。トラックマンデータによる打球速度は18、19年本塁打王のソトに匹敵する値をたたき出した。
チームの外国人選手は
オースティン、ソトの中軸コンビ、中継ぎでフル回転するエスコバーは不可欠な戦力だが、新加入の
ロメロ、
シャッケルフォードの投手2人は安定性を欠いており、チャンスがない訳ではない。来日時には「いずれはドミニカで『華麗』を意味する、フローと呼ばれるようになりたいね」とジャパニーズドリームを語った25歳。本領発揮が待たれている。
写真=BBM