
意外性のあるインサイドワークでプロ8年目にキャリアハイのスタメンマスクをかぶる
8年目を迎えた崖っぷち捕手が、千載一遇のチャンスを迎えている。
石川亮が、その入り口に立ったのは4月22日
ロッテ戦(ZOZOマリン)だった。今季3試合目の出場は2度目のスタメンマスク。先発した
池田隆英を好リードし、打撃でも決勝打。攻守でチームを勝利に導く活躍だった試合後に残したコメントは、覚悟が詰まっていた。
「とにかく勝ちたかったです。自分の置かれている立場もありますし、自分の中では、できる自信があったので。他のキャッチャーに負けてないという僕の中での自信もありましたし、出たときは、あとは見せるだけと思っていた。今日は一番いい形になってくれた」
2013年ドラフト8位で帝京高から入団した。明るいキャラクターで、小学生時代は空手の全国大会で優勝した経歴も持つ。プロで最初のチャンスは2年目の15年。初の開幕一軍入りで27試合に出場したが、16年からの2年間はわずか1試合の出場にとどまり、スタメン定着とはならなかった。その間に
清水優心や
巨人から移籍してきた
宇佐見真吾らライバルが台頭。今季も位置付けは3番手捕手からのスタートだった。
投手陣との密なコミュニケーションに加え、意外性のあるインサイドワークで出場機会をどんどん増やし、7月14日現在でスタメンマスクは30試合とキャリアハイ。冒頭の試合後のコメントは、次のように続く。「こんなにうまくいくことはないんですけど、やっぱりそのムラを少なくして、より気を引き締めて頑張りたい」。必死な日々を送る。
写真=BBM